息子の強迫性障害の原因
息子が強迫性障害が出始めたのは、小学5年生の頃からでした。その頃は、学校で暴力的な子がいたために、学校が怖い所になってしまいました。もともと、暴力が苦手で、他人が怒られているだけでも「自分が怒られているかのように感じてしまう」こともあるくらいの不安が強い子でした。
また、そのころに、「鬼滅の刃」を見て最初は喜んでみていたものの、徐々に不安が募り、恐怖の対象となってしまいました。白黒思考、0-100思考とか言われますが、好きだったものが嫌になり、完全拒否に入ってからは、「アニメが関係するものはすべて拒否」という関連付けが始まり、例えば、「うどんを食べていたから」という理由で、好きだったうどんが食べられなくなったり、「鬼」が出るから2月は嫌いとなり、2がつくものを拒否したりという感じになりました。
それからの日々はそこに向き合うのも一苦労でしたが、更に追い打ちのようにコロナがあり、酷い潔癖症になったり、口腔内過敏?になり、口の中の違和感を訴えるようになりました。
根本的な原因を探れば、僕らの結婚も要因なのでは?と妻と僕は不安でしたが、実際に息子は、「学校が怖くて仕方なかった」と訴えます。実際に、そのころは、特別支援学校だったのですが、息子の学校への拒否は、とても強かったように思います。そこから、強迫性障害と診断されるまでは時間もかからずといった感じでした。たぶん、あの頃の「暴力」をキーワードにした事態が重なったことは非常に大きく、強迫性障害に影響したものだと思います。
強迫性障害は、手洗いが止まらなかったり、鍵をかけ忘れたか不安になったりと、根本的な不安要因とは違う形で、現れます。潔癖症など、過度に汚れや菌を気にしたりしますが、その根底には、深い別の原因があったりするのです。
うちの場合は、その根本的な要因が、「暴力」「暴言」だったのだと思っています。もともとの怖がりの息子が、鬼滅の刃なんて首を切り落とすようなアニメを好きだと見始めたのは、本当にまずかったと思います。子供が見たいといっていたから、不安になりながらも、それを見させてしまったのは、僕らが失敗をしたのだと、後悔しています。
今の状況
中学3年生の夏休み前までは、妻への確認行動が目立っていました。「ママ、口の中に何か入った?」と聞くことが多かったと思います。それも、答えてから数分もしないうち、時には1分くらいで、再び確認をしてきていました。ママも嫌気がさすほどに繰り返し聞いてきました。ママもよく耐えてきてくれたと思います。
ただ、最近になって、スマホを使えるようになってきた息子が僕に送ってくるのは、「自分がいじめられている」という空想の話です。それも、自分で考えた放デイの中での出来事として話してきます。文字を打てない息子ですので、音声でLINEを使っています。その音声の中の息子の空想では、「放デイの先生から断られた」という話が出てきます。放デイを断られてきた時に、僕らの想像以上に息子は、ショックを受けていたのだと思います。現実の「情けなさ」「自信喪失(自己肯定感の低下)」が本人には強く残っているのを感じています。
LINEで「パパ、また○○って先生から、もう来ないでよいよと言われたよ」と言ってくるのです。それは、実際の話として、放デイでの出来事が原因です。放デイの玄関までしか入れなかった息子に、「そんなに嫌なら来なきゃいいじゃん」と、ある先生が言ってきたこと…それが息子の心に強く残ってしまったのです。
現状、息子は強迫性障害の状況がどんどん悪くなっているように思います。嫌だった過去の経験を表現しながら、
- 数字への強い執着(不吉な数字などに捕らわれる)
- 止まらない手洗い
- 潔癖症
- 自分が大切にしているものが汚れていないかと気にする
- 自分が大切にしているものが無くなっていないかが気になる(目の前にあっても気になる)
- 自分が大切にしているものが汚れていないかをやけに気にする
という強迫性障害の特徴が、強く表れているように感じます。
実の所、ママへの確認行動は減りました。ただ、自分で
「汚れてません、大丈夫です!大丈夫だから、大丈夫です!」と部屋から聞こえてきて、それが数十分も続きます。そのあとに、下の洗面台に来て、
「手は汚れていません!汚れてないって言ってるでしょ!大丈夫、大丈夫、大丈夫だから!」と言っています。
部屋からそういった声が聞こえてくると、そこまで不安になり、心配が取れない息子を不憫に感じます。そして、僕は部屋に入り、「どうしたの?何か不安ですか?パパに言ってごらん」と声をかけます。すると、息子は、「これが汚れてないか?って不安で」と教えてくれるので、僕は指さし確認をして、「大丈夫。汚れてない!パパもしっかり見たからね。もう心配ないです。大丈夫だよ」と伝えます。
正直に、最近は、上の枠内のような強迫性障害の典型的な不安が,顕著に息子に現れています。そして、それを自己解決しようとしている息子が、可愛そうでなりません。強迫性障害の場合、たぶん、どんな説明をしても中々理解をすることは難しく、本人だけ解決はでの解決は難しいものだと思います。ましてや、知的障害があり、0-100 思考(白黒思考)の強い息子では、認知行動療法のような手が通用するとは思えません。
それでも、どうにか解決策を模索しようと、今、僕は考えています。2月(節分で鬼が関係しているから怖い)が近くなり、不安はよりひどくなっていくことでしょう。今までは、合理的配慮を入れるという名目で、すべての生活を息子に合わせてきましたが、「それだけでは息子の心の負担が軽くならない」と感じています。
明日は医師に相談してみよう…と思っています。
医療の力(服薬)も含めて、僕らに出来ることを聞いてきたいと思うのです。息子の心の重みを軽くしてあげたい。少しでも中学校最後の学期が息子にとって、楽しみのある時間に出来るように、父として出来ることを追求していこうと思います。
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