自閉症児パパ日記 「心は伝わって、心を育てる」

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2024年12月10日 「心は伝わって、心を育てる」

僕の息子は知的障害ありの自閉症。発語はあり。言葉の意味の理解は微妙だけれど、結構に理解できているように思います。

そんな息子が、祖母を非難する動画を撮り、送信していました。先日は、夕飯をごちそうになったのだけれど、その時に妻の一言から、混乱し、祖母に矢印が向き、暴言を吐いていたのですが…。もう、治まっていたように思っていましたが、心のどっかに引っかかっていたのでしょう。

妻の母は、かなり厳しい方で、妻(自分の子)には特に厳しかったようです。だけれど、息子(孫)には本当に優しくて、どんな時でも息子の味方でした。つい先日も、沢山の食事をごちそうしてくれていました。

でも、今日…「お前のせいで、僕はこんなんだ。ふざけるな。お前なんかなぁ、もう二度と実家にはいかないから」と、酷い言葉を並べていたみたいでした。そんな動画を見つけてしまった妻は、息子の暴言に心が砕けて、悲しさと怒りが混ざり合って、憤りを覚えたらしいです。妻は、久々に感情的になり、泣きながら息子に訴えたようです。

「あなたは、どうしてそんな風に出来るの。確かにお母さんは、私には厳しかっけれど…あなたには本当に優しくしてくれたじゃない。なのに、なんで、なんで…」と息子にど真剣に、泣きながら伝えていたようでした。「本当に優しくしてくれている人に、そんな暴言を吐くなんて、絶対ダメ」と心から伝えたのです。

そしたら、息子は「ばあばに謝る…」と最終的になったのですが、車の外で待っていた妻は、やはり涙が止まらなかったみたいでした。

そんなことがあったと報告を僕にしてきた時、僕は、息子が混乱しているのではないかと心配になりました。でも、妻は、「でもね…パパ…」と言い出しました。

うちの息子は中等度の知的障害で自閉症が強いのです。今までも、何度か真剣に向き合って話してきたことがあるけれど、どこかで的外れな話を返してくることもありました。でも…。「パパが言っていた通り、愛情って伝わるんだね…」と妻は話してきました。

「そのあとに、○ちゃんは、お母さんに謝ったのよ。謝ったあと、お母さんは、〈大丈夫だよ。気にしないのよ〉と息子(〇ちゃん)に優しくいってくれたの。でも、お母さん、きっと疲れただろうと思ったから、すぐにうちに帰ったのね…そしたらさ、〇ちゃんはね」と妻は言い、話を続けました。

「(息子が想像していた怖い人たちの名前を書いた紙を部屋から全部、外して)僕には悪い人はいなくなりました。僕の周りには優しい人ばかりが増えたんだよ…って、そう、○ちゃんが言ってきたの。ねえ、凄くない。○ちゃんの顔、最近の怪訝な顔ではなく、晴れやかな顔になってるの。私、真剣に話し合っている時、泣いちゃってたんだけれど、伝えたいこと、いつもみたいに〇ちゃんには入らないんじゃないか…伝わらないんじゃないかって、疑心暗鬼になりながら話していたのも事実なんだけれど…○ちゃん、ちゃんと分かってくれたんだよ」

 そう話しながら、妻は泣いていました。自分の必死に伝えたことが、息子にちゃんと伝わっていたのです。だからこそ、良い人や優しくしてくれるイメージを息子が持つようになっていたのでした。

 分かりづらい話かもしれません。もう少し、細かく言います。

 最近の息子は、妄想を繰り替えてきました。その妄想は、いつも時間を経ながら形を変えてきたのですが、最近は、小説のような妄想が膨らんでいました。どんな妄想かというと、≪自分を虐める数名の人≫を想像して、「僕を虐めるんだ」とパパに訴えてきていました。半ば、それを言う事でパパが「そんな奴らはやるせない。パパは、○ちゃんを虐めるような奴らは絶対に許さないから!」と反応するのを待ち望んでいるようでした。そして、そのように、「パパが〇ちゃんを守るから」という感じで反応すると、息子は、それが嬉しくてぴょんぴょんと飛び跳ねて喜んでいたのです。

それは、パパへの愛情確認であったと思います。

実は、最近では、LINEでそのような内容が届いてきたのです。強面な顔の芸能人の写真をスクショして、息子が名前を付けて、「この人は、僕にこんなことをしてくるんだ。パパ怒る?」みたいな感じで、僕に訴えてきていたのです。

でも…

(妻から話を聞くまでは、全然、そんな事件があったとは思いも寄らなかったのですが、)その事件があってから僕の携帯に送られてきた音声のLINEは次のようなものでした。

「パパ、あ、あ、あのさ、じつ、じつじつは、実はさ。もうね、怖い人はいなくなっちゃったんだって」

「二人の人は悪い人だったんだけれど、校長先生にいわれて、心が変わったんだって・良い人に、な、な、なったんだよ」

そして、

「それで、今は、この6人が僕の味方なんだ。みんな優しい人たちなんだって…凄く優しい人なんだよ」と、息子は僕のLINEに送ってきたのです。

僕は、家に帰ると、「○ちゃん!」と部屋を訪ね、扉があくと、「悪い人はいなくなったんだって?良い人ばっかなの?」と息子に説明を促しました。

すると、息子は、タンタンと説明しながらも笑顔が溢れていました。

「もうさ、パパさ、悪い人は来ないんだって。良い人ばっかなんだよ。ほら…」

携帯で送ってくれた画像・写真をもう一度見せてくれて笑顔が溢れています。僕は、そうか「良かった。本当に良かった」いって、息子を抱きしめました。

そして、詳細を妻に聞いてから、僕はもう一度、息子と話をしました。

「悪いものは本当に来ないんだよね。本当に良かった…」そう話している内に、僕の心に小さかった息子が脳裏をかすめました。

「本当に良かったね、○ちゃん。○ちゃんは、パパにとっては大切な息子なんだよ。だから、怖いものとか、悪い人に囲まれていると思うと悲しくなる。でもさ、好きな人、優しい人に○ちゃんが囲まれていると思うと、心の底から嬉しいよ」と、そう伝えました。

伝えている時に、小さかった息子を思い出してしまいました。よくよく考えれば、息子が強迫性障害になってから5年の月日が過ぎ去ろうとしています。期間を忘れてしまっていましたが、僕らにとっては対応の仕方がどっかで習慣化されてしまっていて、当たり前の生活を過ごしていました。ただ、息子にとっては、長い辛い日々なのだと改めて感じていました。

これまでは、本当に大変なことが多かったと思います。苦しい時も沢山ありました。息子は常に不安だったし、漠然とした怖いものを想像して、常に警戒心をもって生きていました。過去に「悪者が僕を虐める」と言っていたのも、それが想像の世界で、息子が生み出してきた恐怖の象徴だったのかもしれません。そう思えてくると、何年も怯えてきた息子をより不憫に感じました。そういう怖い想像をすることで、実は日ごろの不安への自己防衛をしていた息子は、妻の必死の訴えから、良い想像をして幸せを勝ち取ろうとしていました。

そう思えてきたら、僕も自然と涙が溢れだして、ハンカチで目頭を押さえて、息子の話を聞いていました。

すると、息子は言いました。

「パパ、何、泣いてんの…?」と。そして、僕は答えました。

「なんか嬉しくてさ。パパは君が大好きで、愛おしいよ。だから、何の心配もしなくても大丈夫だよ。何があっても、パパがいるから。僕ら4人は、いつも仲良しで、平和な家族だからね」

すると息子は、今まで無いような優しい顔をして、

「そうだね」と返事してくれました。でも、「それでね…この6人はさ…」とLINEの幸せメンバー写真を見せて、別の話しをし出してしまいます。人の話は話半分で、自分の思ったことを言いたくて仕方ないという発達障害の特性をばっちりと表現してきます(笑)

たぶん、明日以降はきっと…いつもの様に、不安だらけの息子になるでしょうし、今回の件で、トラウマ的なものが克服できるとは考えていません。そんな簡単なものじゃないのです。

でも、それでも、「悪いことの想像」を克服して、自分の好きなものに視線を向けること、「好きなものへの想像」に変化があったことは、本当に素晴らしいと思います。

そして、何より、それを嬉しそうに僕に話してくる息子がいます。

僕は、息子にこういう時間を増やしてあげたい…心からそう願います。

「心は伝わって、心を育てる」音声配信 standfm

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