先日、Xにポスト、standfmで取った点について解説してブログに残しています。ここではより詳細を記載したいと思います。つまりは、親にとって子への服薬というのは「怖い」ものかもしれません。初めて「精神薬」を飲ませる時、薬を変える時、頓服を飲ませる時、薬を飲ませてからの副作用が心配な時…など色々な不安に直面します。その際の注意事項を記載したいと思います。
「くすりについて知ってほしいこと」 – あひるのお 発達障害パパママ応援ラジオ | stand.fm
薬を変えることになった経緯
息子は、2024年3月現在で、薬を変える(加える)ことになりました。どういった経緯で薬を変えることになったのかを記載します。
1月ごろから2月にかけて息子の不安は強くなりました。
うちの息子は鬼滅の刃が大嫌いです。最初は好きだったんですね。でも、あの残虐なシーンが脳裏から離れなくなった。そして、「殺してやるー!」と特別支援学校でハサミを持った高校生の子が先生を脅したシーンを見てから、トラウマになりました。それからは関連付けがひどく、「『鬼滅の刃』で『うどん』を食べていたから、うどんは食べない」とか、「2月は節分で鬼が関係している。だから…2という数字は怖い」とか広がるだけ広がっていきます。
今は、『11月の誕生日は2月に近いから誕生日は7月にやって』と言ってきます。せっかく通えていた放課後等デイは、「鬼」という字を使った業者用の看板が近くにあり、その事でその放課後等デイにも通えなくなりました(汗)
『鬼が嫌い』となっている今、節分にちなんで2月は試練でした。冗談のようで、冗談じゃないくらいの大変さだったのです。2月22日は学校を休ませました(笑)
一年間で一番恐怖の時間、2月を迎えるころかrあ、「不安」が強くなり、気持ちのむらが酷く、そこから息子は強迫性障害が再発し始めました。口の中に指を入れたり、わざと咳をしたり、確認行動(口の中、耳の中に何か入ったかと聞く)が増えたりし始めました。過去の強迫性障害は僕ら親にとっても辛いことでした。ですので、そういった強迫観念、強迫行為が見え始めると、過去の息子のことを思い出し、僕ら親も大きく心配になるのです。
僕よりも妻の心配はひどく、妻はそのことで精神的にまいってしまいました。体が動かない、冷や汗が出る、泣く…そのくらい心配をしていました。娘の子育てもあり、妻が倒れればうちでは一大事です。そこで、信頼のおける支援者の方に相談し、医師へ同行してもらい、結果、薬の検討に至ったのでした。
服薬内容
現在の息子が飲んでいる薬は…
- カルママゼピン 躁状態、三叉神経痛などを改善する薬
- インチュニブ 注意力の散漫や衝動的で落ち着きがないなどの症状を改善
- リスパダール 統合失調症 小児期の自閉スペクトラム症の易刺激性(※1)
- リボトリール 脳内のベンゾジアゼピン受容体に作用し神経の興奮を抑制すること
- アリピプラゾール 双極性障害における躁症状の改善
- (頓服)クエチアピン 情緒の不安定さなどの陰性症状を軽減する効果
※1「易刺激性(Hyperreactivity)」は、刺激に対する過度な反応性や敏感性を指す医学用語です。特定の刺激に対して、通常よりも強い反応が見られる状態を示します。易刺激性は、さまざまな状況や疾患で見られることがあります。例えば、自閉症スペクトラム障害(ASD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)などの神経発達障害のある人々は、環境刺激に対して過剰に反応することがあります。また、うつ病や不安障害などの精神疾患でも、ストレスや刺激に対する反応が過剰であることがあります。易刺激性は、身体的な刺激(光、音、触覚など)だけでなく、感情的な刺激(ストレス、不安、興奮など)に対しても現れることがあります。これは、個人の感覚処理や情緒の調整に関連する複雑な神経生物学的プロセスに影響を及ぼす可能性があります。易刺激性の程度は個人によって異なりますし、状況によっても変化することがあります。過度な刺激に対する反応が日常生活や社会的機能に支障をきたす場合は、適切なサポートや治療が必要となる場合があります。→つまりは、リボトリールは、感覚過敏に作用する薬であり、不安などを抑えることが出来る薬と考えられる
初めて精神薬を飲む 精神薬の中断や変更の時に大切なこと
①お薬手帳をとっておく
お薬手帳は、とても大切だと今回実感しました。支援者の方の奥様が看護師で、薬に関して精通している方だったのですが、その際に、「お薬手帳でこれまでどんな経緯で薬をもらってきたかを知りたい」と言われたのですが、結構な抜け落ちがあったんですね。今回は、どうにか薬局に問い合わせをして、これまで3年間の経過を表にしてもらうことが出来ました。(どの薬局でもやってくれるのかは分からないのでご注意を)
僕だけかもしれませんが、「お薬手帳を家において忘れてしまうこと」が良くあります(笑)案外にいい加減に扱っていることもあるかもしれません。ただ、今回、standfmでも話した通り、その他にも重要な「経緯」が分かるものでもあるので、是非にしっかり取っておきましょう。「薬を処方されたその時だけ」のものではなく、大きくなった我が子が5年後に処方された時でも、過去の経緯が分かるというのはとても重要なことなのだと今回学ぶことが出来ました。
②体調面の変化などのメモを残す
大切なのは、メモを取ること。妻は簡単な日記形式で、(医師ではなく)支援者にLINEを送っています。基本的には…就寝時間だったり、起床時間がメインとなります。理由は、やはり「精神薬は眠くなる」から。状況によっては、体が重くなり、動けなくなったりするので、そういった状況をきちんと把握していくためにも、メモが必要かと思います。また、医師に相談する時に、感覚的に覚えていることを話すのではなく、より具体的にお伝えすることが出来ることで、「次の検討」に役立てることも出来るはずです。服薬した時間、状態なども残せていけたら良いですね。
実際のメモ(妻のメモになります)
実際の妻のメモになります。参考になるかは分かりませんが、経過を見るのは十分な気がします。
まとめ
発達障害が分かり、診断が下りると、医師から服薬を勧められることが多くなると思います。親は誰だってそこで戸惑います。それでも、服薬が進むと、それが「子どもにとっての負担を軽減する」ことを感じるようになります。僕は、けして服薬推奨派というわけではありませんが、服薬そのものが悪いことだと今は思っていません。
「初めて精神病薬を服薬する」「精神病薬が増える」「薬を変更する」というのも、また怖いことかもしれません。薬に慣れるまでは、気持ちの面でも不安が伴います。それでも、一定期間を経て、身体が慣れてくると、状態が良くなっていきます。また、一つのチャレンジとして捉えるのは良くないことかもしれませんが、精神病薬の場合は、「調整」が大切になっているのも感じます。本当の意味でお子さんに合う薬を見つける、適量を見つける、飲む時間でベストを探すというためには、薬を試していくしかないのも実際だと思います。
そういった際には、「お薬手帳」で経過を残し、「メモ」で状態把握を、支援者や医師と共有していく。
それは本当に大切なことです。
あくまでも経験則のお話になってしまうかもしれませんが、皆さんの参考になればと思います。