【社会福祉士向け】成年後見人に選任されたら?実務の流れとやるべきこと一覧(無料チェックリスト付)

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社会福祉士:成年後見人等になったら〜実務の流れとやるべきこと一覧 (チェックリストあり)

家庭裁判所から選任され、新しく成年後見人(または保佐人・補助人)になられた皆様、誠におめでとうございます。ここでは、成年後見人の業務の基本を押さえながら、受任後に何をするべきかを一緒に考えていきたいと思います。

はじめに

家庭裁判所から選任され、新しく成年後見人(または保佐人・補助人)になられた皆様、誠におめでとうございます。
さて、僕自身の経験として、「審判が降りてからの行動」に戸惑うことも多いと思います。

「裁判所から選任の連絡が来たけれど、まず何から手をつければいいのかわからない」
「銀行や役所でどう手続きすればいいの?」

と不安に思われている方も多いのではないでしょうか。

そこで、「社会福祉士さんの後見人の業務」のページを作成しました。

僕自身も日々、慣れない難しい専門用語に戸惑いながらも、日々、成年後見制度に取り組んでいます。その点で、同じような社会福祉士さんの参考になればと、「経験」を重視したページ運営をしていきたいと思って、このページを作成していきます。一緒に、頑張っていきましょう。

また、親亡き後を考える障害児家族のパパママさんが成年後見制度を利用しようとした際に、不明点が多いこともあると思います。単なる「金銭管理」と思っている方も多いのが実際ではないでしょうか。成年後見制度の後見人は、以下のよう「多くの業務を行うのか」と知ると、利用を検討できるのではないかと思います。ざっとでも良いので業務を見てみると参考になるかもしれません。

基本的な業務(チェックリストプレゼント)

このページでは、初めて成年後見人になった方が迷わず実務を進められるよう、「初期手続き」から「日常の財産管理」「公的手続き」「定期報告」まで、やるべき実務を時系列で詳しく解説します。基本を押さえながら、進めていければと思います。

就任直後の全財産調査から銀行手続き、裁判所への報告まで、実務手順をA4サイズのチェックリスト(PDF)にまとめました。手元に印刷して活用されたい方は、以下よりダウンロードしてご活用ください。

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成年後見人が行う「2つの大きな柱」

💡 成年後見人が行う「2つの大きな柱」

役割 主な業務内容 具体例
① 財産管理業務 ご本人の財産や収入・支出を正確に把握し、適切に管理・維持する ・預貯金口座の確認・集約
・不動産や有価証券の管理・処分
・生活費・医療費・施設費などの支払い代行
・税金の申告や社会保険・年金の手続き
② 身上保護
(生活・医療手配)
ご本人が安心・安全に生活できるよう、環境や契約面を整える ・介護サービス利用や施設入所の契約代理
・病院への通院・入院手続きの代理
・月1回程度の定期訪問による生活状況の把握
※食事・掃除・買い物等の直接的な身体介護・家事援助は含まれません

成年後見人の主な役割は、大きく分けて 「財産管理業務」「身上保護(しんじょうほご)」 の2つです。

① 財産管理業務

  • 預貯金・有価証券の管理、口座の集約
  • 不動産の所有・管理・処分手続き
  • 生活費、医療費、施設費の支払い代行
  • 確定申告や税金・社会保険の手続き

② 身上保護(生活・医療手配)

  • 介護サービスや施設の利用契約
  • 病院への入院手続き・医療契約
  • 月1回程度の定期面談による生活状況の把握
  • ※実際の食事の世話、掃除、身体介護などの「事実行為」は含まれません

1. 就任直後の初期実務(1〜2ヶ月目)

審判が確定し選任されたら、まずは後見人としての権限を証明する準備と、ご本人の資産・負債状況を正確に把握する作業からスタートします。

①【就任初期(1〜2ヶ月)の流れ】

📋 就任初期(1〜2ヶ月)の流れ

ステップ 項目 主な作業・概要
STEP 1 選任・審判確定 裁判所から選任通知を受領後、確定まで約2週間待ちます。
STEP 2 登記事項証明書の取得 法務局で証明書を入手し、代理権を証明する準備を整えます。
STEP 3 全財産調査と関係機関への届出 預貯金・不動産・負債等を正確に把握し、銀行や役所へ届出を行います。
STEP 4 家庭裁判所への初回報告 作成した「財産目録」「収支予定表」を裁判所へ提出します。

後見人として銀行や役所、施設で代理手続きを行うためには、法的に代理権があることを証明する「登記事項証明書」が必要です。

  • 法務局での取得手続: 地方法務局の本局(※出張所や支局では交付できない場合があります)の窓口、または東京法務局への郵送申請にて取得します。
  • 必要な費用・持参物: 1通につき550円分の収入印紙と、後見人自身の本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカード等)が必要です。
  • 確保しておく枚数: 金融機関や行政機関への提出用として、最初に複数枚(2〜5通程度)確保しておくと今後の手続きがスムーズです。

ワンポイント!
ここでは、初めての成年後見制度の被後見人の場合は、登記事項証明書になりますが、例えば、「前任者がいる場合で、二人で成年後見を担う場合(追加選任)」などは、別の用紙になります。「審判効力発生証明書」というものになります。詳しくは別のページで解説します。

② 全財産調査・状況の確認

ご本人が所有しているすべての資産と、抱えている負債を漏れなく洗い出します。

  • 預貯金・有価証券: 自宅にある通帳やキャッシュカードの探索、金融機関への残高照会・過去の取引履歴の開示請求を行います。株式や投資信託の保有状況も確認します。
  • 不動産: 権利証(登記識別情報)の確認、名寄帳や固定資産税課税明細書の取り寄せ、登記事項証明書を取得して権利関係を確認します。
  • 保険・貴重品: 生命保険・損害保険の証券確認、貴金属や骨董品などの確認・保管を行います。
  • 負債(借入金・未払い金): 借入金、ローン、未払いの医療費・介護費・公共料金・税金等の滞納状況を整理します。

③ 家庭裁判所への初回報告(初回提出)

調査した結果を裁判所へ報告するための書類を作成・提出します。(選任から約1〜2ヶ月以内が目安です)

  • 財産目録の作成: 判明した全資産・負債を分類し、家庭裁判所指定の「財産目録」へ記載します。
  • 収支予定表の作成: 年金等の確定収入と、医療費・施設費・税金等の想定支出を算出し、月々の収支バランスをまとめた「収支予定表」を作成します。
  • 裏付け資料の添付: 通帳のコピー、残高証明書、不動産登記事項証明書等のコピーを添付して提出します。

④ 主要機関・関係先への就任届出

各関係機関へ「後見人に就任したこと」を届け出、各種通知書類の送付先を後見人の住所(事務所)へ変更します。

  • 金融機関: 取引口座のある銀行等の窓口へ登記事項証明書を提出し、届出印の変更および送付先変更を行います。
  • 年金事務所・市区町村役所: 年金や住民税、健康保険・介護保険の送付先変更届を提出します。
  • 病院・介護施設: 利用中の病院や施設へ連絡し、請求書や連絡事項が後見人宛てに届くよう手続きします。

💡 初めての方へのワンポイントアドバイス

審判書が届いてから法務局に登記されるまで、通常1〜2週間程度かかります。登記が完了する前に法務局へ行っても証明書は発行できませんので、事前に担当裁判所等へ確認してから手続きを行うのがおすすめです。

2. 日常的な財産管理業務(金銭・契約・資産の管理)

初期調査が終わった後は、ご本人の生活を破綻させないための日常的な金銭管理と契約管理を行います。

① 預貯金・現金・重要物の管理

  • 口座の集約・管理口座の開設: 口座が分散している場合は不要な口座を解約・集約し、事故防止のために「被後見人 〇〇〇〇 成年後見人 〇〇〇〇」という名義の後見人専用口座(管理口口座)を開設して管理します。
  • 定期的な入出金チェック: 定期的に通帳記帳を行い、不審な引き出しや不要な自動引き落としがないか監視します。
  • 生活費(小口現金)の手配: ご本人が在宅の場合は生活費(小口現金)を渡すルールを定め、施設入所中の場合は施設のお小遣い口座(生活費預託口)へ補充を行います。
  • 印鑑・重要書類の保管: ご本人の実印・銀行印・権利証・年金手帳などは金庫等で厳重に管理します。

② 支払い・契約の代理

  • 固定費・生活費の支払い代行: 家賃、公共料金(電気・ガス・水道等)、医療費、介護サービス費、施設利用料などの支払いを代理・自動引き落とし手配します。
  • 福祉・医療サービスの契約代理: ケアマネジャーが作成するケアプランの確認・契約、デイサービスやショートステイの利用契約、病院の入院手続き等を代理で行います。
  • 保険手続き: 契約中保険の見直し・解約、入院時の医療保険金や事故時の損害保険金の請求・受領を行います。

③ 不動産・重要資産の処分手続き

  • 居住用不動産の処分許可申請(※最重要): ご本人が居住している(または過去に居住していた・将来居住する予定の)自宅を売却・賃貸・解体する場合は、必ず事前に家庭裁判所の許可(居住用不動産処分許可)を得なければなりません。許可なく処分した契約は無効となります。
  • 相続手続きの代理: ご本人が相続人となった場合、ご本人の法定相続分を確保するよう遺産分割協議に参加し、協議書へ捺印・手続きを行います。
  • 不当契約の取り消し(取消権): 悪質な訪問販売等でご本人が結んでしまった不要な高額契約を取り消し、返金・返品交渉を行います。

3. 公的手続き・税務・社会保険業務

公的機関に対する申請や届出も、後見人の重要な職務の一つです。

  • 役所関係: 住民票の異動(転出・転入)、国民健康保険や介護保険の資格更新・減免申請、高額療養費・高額介護サービス費の還付申請手続き。
  • 障害福祉関係: 障害手当金、障害福祉サービス受給者証、自立支援医療などの受給・更新手続き。
  • 年金関係: 老齢年金・障害年金・遺族年金の受給手続き、額改定請求、状況確認届の提出。
  • 税金関係: 固定資産税や住民税の納付、医療費控除や障害者控除を適用した所得税の確定申告・還付請求。

4. 身上保護(生活環境・医療状況の把握)

後見人の仕事は金銭管理だけではありません。ご本人が安心して生活できているかを見守る「身上保護(しんじょうほご)」も大切です。

  • 定期面談: 月1回程度、ご本人の自宅や施設へ訪問・面談を行い、健康状態や生活環境に問題がないか直接確認します。
  • 関係機関との連携: ケアマネジャー、施設スタッフ、主治医との定期的な情報交換や「サービス担当者会議」へ出席し、最適なケアプランを一緒に考えます。

⚠️ 注意:実際の介護行為は後見人の仕事ではありません

「身上保護」とは、介護サービスや医療に関する契約手配・環境整備を行うことです。食事の世話・部屋の掃除・買物代行・通院の付き添いといった直接的な身体介護や家事援助は後見人の職務範囲外です。これらは介護福祉サービスを手配して対応します。

5. 年間スケジュールと家庭裁判所への定期報告

後見人に就任している間は、年1回(裁判所が指定する時期)、財産が適切に管理されているか報告する義務があります。

📅 成年後見人の1年の流れ(年間スケジュール)

時期主な業務内容
毎月生活費の出金・送金、通帳記帳・残高チェック、本人との面談(身上把握)
偶数月(15日)公的年金(老齢・障害等)の入金確認
2月〜3月所得税の確定申告(医療費控除等の適用手配)
年1回(指定時期)家庭裁判所への定期報告(後見事務報告書、財産目録、収支計算書の提出)

定期報告の提出書類

  • 後見事務報告書の作成: この1年間のご本人の生活状況、健康状態、主な契約内容や出来事を記載します。
  • 財産目録・収支計算書の作成: 報告基準日時点の最新の財産一覧と、1年間のすべての収入・支出を集計した収支表を作成します。(ご自分の関連する裁判書のホームページでダウンロード可能です
  • 裏付け資料の添付: 全口座の通帳コピー(表紙〜最新記入面まで)、高額な出金・購入時の領収書、新規契約書のコピー等を揃えて提出します。

6. まとめ&よくある質問(FAQ)

最後に、初めて後見人になられた方が直面しやすい疑問とポイントを整理しました。

Q1. 本人の遺産やお金を、親族の生活費や医療費に使ってもいいですか?

A. 原則として使えません。

成年後見制度は「被後見人本人の権利と財産を守るための制度」です。たとえ親族であっても、ご本人以外の生活費や学費、住宅ローンなどに支出することは認められません。

Q2. 自分の判断だけでご本人の家屋・土地を売却・解体しても大丈夫ですか?

A. 絶対にNGです。

居住用不動産(過去に住んでいた家屋も含みます)を処分する場合は、あらかじめ家庭裁判所の「居住用不動産処分許可」を得なければなりません。許可なく手続きを行った場合、契約自体が無効となります。

Q3. 実務で分からないことやトラブルが発生した場合は?

A. 一人で抱え込まず、早めに相談しましょう。

判断に迷うような大きな契約や親族間での葛藤が生じた場合は、独断で進めずに担当の家庭裁判所や、専門職(弁護士・司法書士・社会福祉士等)、各自治体の「中核機関(権利擁護センター)」へ速やかにご相談ください。

成年後見人の業務は多岐にわたり責任も伴いますが、ご本人が自分らしく安心して暮らすための重要な基盤を支える、とてもやりがいのあるお仕事です。チェックリストなどを活用し、着実に進めていきましょう!

「経験談より」
僕は、ぼくの住んでいる地域の社会福祉士会が運営する「ぱあとなあ」によく参加するようになりました。「各県などでも、地域をブロックにして、世話人の方を中心にサポートをしてくれるのではないか」と思います。はじめての活動で不安もあるかもしれませんが、そのネットワークを作るのはとても大切なことだと思います。ネットワークを作ってから受諾でなくても、その活動をしながら、支援してくれる体制(ネットワーク)が出来てくるのではないかと思います。その一旦で、自分も応援できることがあればと思っています。一緒に頑張っていきましょう!




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